アドバンス・ケア・プラニング


皆さんは、もし、自分が急な事故や病気で、自分の意思を表出することができなくなった時のことを考えたことがありますか?

私は、救急・集中治療に携わる中で、病院前診療・高度先進医療により命を取りとめたり、回復する患者さんをたくさん見てきました。それと同時に、さまざまな治療を駆使しても、救命できなかった患者さんも少なくありませんでした。

そんな中で、自分が死ぬ時、家族が亡くなる時について、考える機会が多くなりました。皆さんも、自分の最期を漠然とイメージしておられるかもしれません。

そのイメージを具体的にする手助けになれば幸いです。


人生の締めくくりの迎え方にはいくつかのパターンがあります。

若い方では不慮の事故などによる突然死 (急性期医療等における急性型) が多いですが、歳を重ねるにつれ、持病やがんの悪化などによる衰弱 (がん等の亜急性型、高齢者等の呼吸不全等慢性型) 、あるいは衰弱 (高齢者等のフレイル等慢性型) が増えます。

終活という言葉があるように、特に慢性型の経過である場合は、ご自身で自分の最期を意識することが増えると思います。

・1日でも長く療養したい

・自宅で過ごしたい

・意識が回復する見込みがないのなら延命はしたくない

・痛みや苦痛が少ないようにしたい

最後までご自身らしくあるために行う今後の医療やケアの話し合いを「人生会議 : アドバンス・ケア・プラニング」と言います。

もしもの時に約70%の方がその希望を伝えることができないといわれていますが、「人生会議」を身近な人としておくことで、してほしくなかったこと、してほしいことを実現することができるかもしれません。

また、残されたご家族がご本人の希望を推定する手助けにもなります。


厚生労働省や板野郡医師会のホームページにその話し合いのすすめ方の参考になるものが掲載されておりますので、ご家族やご自身で考えるきっかけにしてみてください。

当院も皆さんのご希望を実現する手助けができればと考えておりますので、自宅療養などご相談ください。


板野郡医師会 事前指定書

厚生労働省  人生会議